手紙★★★★

手紙 スタンダード版



出演: 山田孝之, 玉山鉄二, 沢尻エリカ, 吹石一恵, 風間杜夫
監督: 生野慈朗

新聞小説シリアスドラマ化作品
お薦め度:★★★★

121分

内容
二人の兄弟の苦悩の記録。ではなく今の日本の排除主義についての話なのです。
兄は強盗殺人犯で服役中、弟は犯罪者の身内と言うことで、差別されひっそり生活している。
何をしても間が悪い兄。の手紙が弟の此処という大事な時に送られて来て、弟の幸福の目を奪い取る理不尽な展開を、それが哀しい現実だという事が痛々しく描かれている。


感想
映画を観てからイマイチ納得が行かず原作を読みました。
さらに納得出来ずもう一度TVで観ました。やはり答えはそこに無いのが判りました。
原作でも主人公の選んだ道が正しいのかどうかの答えは出ていないが、
重いテーマを考えるきっかけにはなると思う。
一人の人間が起こした事件の波紋が、兄弟、家族、勤務先、隣近所の人達に与える悪影響がこれでもかと描かれている。彼らに救済は無いのだろうか。
これはある意味「パンドラの筺」の様な作品でもある。
開けて良いのか、一寸ためらいが・・・・。



主人公は兄の罪を背負っている訳ではないが、犯罪を犯す可能性があると就職が出来ない。
会社側から見ればトラブルの元になりそうな物は、排除するのは正当性があるという。
会社の利益に反する行為だからだと言う。

この原作小説ではジョン・レノンの「イマジン」が重要な手がかりを
持っていて希望を歌っているのだが、映画では触れていない。
犯罪者の更生を一般人は認めない状況があるようだ。
彼らが犯罪者になるまでは一般人と同じ側にいた事を
認めようとはしないのは何故なのだろう。
彼らを責める資格のある聖人がどれだけそこにいるというのだろう。
法を守ると言うのは自分を守ると言う事なんだろうか。

キリスト教では原罪というのが有り、人は罪びととして生きていて誰も他人を非難出来る立場に無いという。生まれながらに罪人だから、負い目を持って暮らして、絶対者(神)に仕えて良いことを目指して行動する事が生きる目的だという教えです。
「レ・ゼミラブル」という作品がある。更生した犯罪者の一生が描かれている。
彼は牧師に救われて残りの人生を献身的に生きてそして亡くなる。
なんとなく更生者の支えになるような作品です。(映画も在りますしお薦めです。)

なんて考えさせる作品でした。
と言う意味でお薦めです。




追申

こんな事書いて良いのか迷いますが、
以下はこんな考えも有りかなの独り言です、
あまり気にしないで下さい。

犯罪を許さない法治国家日本の犯罪加害者と被害者と部外者の中で、
特に部外者の加害者に対する差別して排除す姿勢を解り易く描いています。
一般の人たちは自分達に悪影響のある異分子を排除して、
自分たちの世界を守ろうと団結する。
しかし、差別する自由は差別される自由も含むと言う。
問題は彼らより上の被害者達から差別排除されるという厳しい状況がそこにはあると言うことに気づいていない気がする。

例えば第二次大戦で日本は負けた事で、他国民を殺害した加害者になってしまった。
この事実を引きずって日本人は生きているのが現状なのである。
自分は関係ないと言っても日本人である以上は差別されても
仕方がないのかもしれないと思う。戦勝国と被害国は敗戦国を差別、排除、制裁をする権利が有るのかも知れない(次の戦いに負けるまでは)。
それが歴史から学ぶ事の意味知れない。
我らの親たちがしたことは子孫にまで影響し、被害者達は忘れることは無く、部外者達も危険な国のレッテルを貼り、排除すると言うことだが、我らに逃げ道は無い。この考えでは、ただ卑屈にひっそりと暮らすしか術はないような、絶望の世界観に誘導されてしまう。
抜け出す道は有るはずだが、答えは風に吹かれているようだ・・・。

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「手紙」・・・70点

手紙 スタンダード版販売元:日活発売日:2007/04/27Amazon.co

コメント

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はじめはただ山田君目当てで見てましたが途中から
いろんな人のセリフに注目していました。
あさみのお父さんの言葉に全て凝縮されている気がします。
病室でのセリフです。

ki#さんへ

こんにちは〜
はじめまして♪コメントありがとうございます。
予想以上に重い作品で深読みさせるように作ったのかと思いました。
原作とは違った状況もあり、まとめようとした苦心が伺えた。
キツイ台詞に厳しい現実が現れていたと思う。
風間さんの正確な台詞は覚えていないけど、録画で確認してみます。
たしか、すべての事を無かった事にしてほしいと言う事だったと思いますが、
確かに凝縮されてますね。関わりになりたくないという事ですよね。
自分たちを守るために。

おはようございます!
私は今の所鑑賞した邦画のNO'1だと思っている作品です。東野さんの作品が比較的好きということもあります。ワトソンさんの後半の感想の文章を読んでいて、私も共感させられました。人は犯罪を犯したものの家族も同じ遺伝子、同じ血が流れている事にまで、嫌悪感を抱く。特に島国根性と言われる日本では尚更、排他的要素が強くなり、非難される事は必須ですね。。日本が戦時中、朝鮮、韓国人を徹底的に惨殺した戦争。。北朝鮮は今もまだ、消えない恨みの炎を燃やしています。
それだけ日本軍は酷い仕打ちを朝鮮にして来た証だと思いますが、日本人とはそういうものだ・・という強烈な印象は受け継がれて、世代が代わった我々の事までも恨まれています。一度損なわれた信頼関係というのは、本当に快復するのには容易なことではないということを知り、時間を掛けて理解しあう関係に新しい世代が担っていかなければなりません・・。
さて、本題からハズレましたが、私は最後に勤めた社長の言葉に(みかんを食べながら)この映画の意図する所の意味が凝縮されていると感じました。詳細の言葉は忘れました。
弟は世間の逆風や、兄を避ける気持ちに負けていた自分をもう一度考えさせられた場面でした。
逞しく生きていくために色々な試練をこの世では試されるのが人間の業ですが、それを乗り越えるだけのヒントを周りから受けて、立ち直ることに希望が見えた作品だと思いましたね。。こういう問題で苦しんでいる家族も世の中には沢山いると思いますが、日本人の排他的な考えをもう一度考え直す為にも(意識改革)いい切欠の映画だと思いました。
長々と失礼しました♪

ぴーちさんへ♪

こんにちは〜
共感のコメントありがとうございます。
東野さんの原作を読んだのはまだこの作品だけですが、作者の意図している事は、こういう現実に目に向けて考えさせる事のようでしたね。排他的環境は現実に有ると思いますね。仲間かそれ以外かと差別の線引きして排除する傾向はいつから始まったのか?
アジアの国が日本を見る目は、日本がアメリカを見る目の様に変わったのだろうか?幼児教育というのは大切ですね。知らないでも良いことを歪曲して教えると言う危険が、偏見、排他、いじめ、挑発、紛争、戦争と連鎖していくような気もします。
社長の言葉が主人公のその後の生き方を決めたのでしょうね。逃げてちゃいけないとか、現実を受け入れろとか、応援してくれる人が一人いるじゃないかとか、ひとりひとり増やせばいいとか、意味深い言葉が謎かけのように残っています。作者の言いたいのはそこだったのかと今になって気づきました。
そういう意味でもいい映画だったかも知れません。
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